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投稿日:2025年6月27日

土木治山工事とは?日向市で自然災害から地域を守る重要な仕事

宮崎県日向市を中心に公共土木工事、道路工事、谷止工・土木治山工事を手がける株式会社大建です。当社では、地域の安全を支える重要なインフラ整備を通じて、日向市および延岡市エリアの皆様の暮らしを守り続けています。
傾斜とショベル 
近年、集中豪雨や台風による自然災害が頻発する中、山間部の安全対策がますます重要になっています。特に土木治山工事は、山地災害を防止し、流域全体の安全性を確保するために欠かせない土木工事です。本記事では、治山工事の基本的な知識から具体的な工法まで、わかりやすく解説いたします。
 

治山工事の基本概念と目的

 
治山工事とは、森林法に基づいて実施される山地の荒廃防止を目的とした土木工事です。森林を造成・保全するための補助的手段として、土木的工作物を設置し、地盤の安定化を図ります。
 

重要ポイント
治山工事は単なる土木工事ではなく、森林の造成と保全を目的とした総合的な山地保全対策です。荒廃地という特殊な環境において、危険箇所への早急な対応と長期的な森林形成の両方を実現する技術が求められます。

 

■ 治山工事の主要な目的

 
治山工事には以下のような重要な目的があります。不安定な斜面の安定化により、植物が安定して生育できる環境を整備し、山腹や河川の縦・横侵食を軽減します。また、渓流に面する森林(保安林)の維持・造成を行い、長期的な山地保全を実現します。
 

 

治山工事の主要な種類と工法

 
治山工事は施工場所と目的に応じて、大きく「山腹工」「渓流工」「地すべり防止工」の3つに分類されます。それぞれ特徴的な工法と技術が用いられています。
 

山腹工

対象:崩壊した山腹斜面

目的:斜面の安定化と植生回復

主な工法:切土・盛土による整形、排水施設の設置、植栽工による緑化

効果:表面侵食の防止と長期的な植生による斜面保護

渓流工

対象:荒廃した渓流・沢

目的:縦侵食・横侵食の防止

主な工法:谷止工、床固工、護岸工、流路工

効果:土砂流出の抑制と渓流の安定化

地すべり防止工

対象:地すべり危険箇所

目的:地すべり活動の抑制・停止

主な工法:排水工、抑制工、抑止工

効果:大規模な地すべり災害の防止

参照:治山工事とは? – 十勝総合振興局
 

■ 谷止工と床固工の違い

 
渓流工の中でも特に重要な谷止工と床固工について詳しく説明します。両者は治山ダム工として分類されますが、設置目的と構造に明確な違いがあります。
 
谷止工は、渓床の縦侵食及び横侵食を防止し、渓床の安定、山脚の固定及び土砂の流出を抑止・調整することを主目的としています。一方、床固工は、渓床勾配を緩やかにして縦侵食を防止し、渓床を安定させることに特化した構造物です。
 
治山ダムは水利用を目的とした貯水は行いません。洪水時に発生する土砂の急激な移動を一時的に捕捉し、通常の流量時に徐々に下流に流下させることで、土砂を安全かつ平準的に流下させる機能を持っています。
 

宮崎県における土砂災害の現状と治山工事の必要性

 
宮崎県は地形的な特徴から土砂災害のリスクが高い地域です。特に日向市周辺の山間部では、集中豪雨や台風による土砂災害が頻発しており、治山工事による予防対策が重要な意味を持っています。
 

■ 宮崎県の土砂災害リスク

 
宮崎県では土砂災害防止法に基づき、土砂災害警戒区域(イエローゾーン)及び土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の指定が進められています。これらの区域では、土石流、がけ崩れ、地すべりによる人的被害の発生可能性が高く、継続的な監視と対策工事が必要です。
 
特に令和4年台風14号では、都城市や延岡市で大きな被害が発生し、住宅の全壊・半壊や道路・河川の損壊など、深刻な被害をもたらしました。このような自然災害から地域を守るため、予防的な治山工事の重要性がますます高まっています。
 

地域の特徴
日向市周辺は九州山地の一部を形成し、急峻な地形と脆弱な地質が特徴です。また、年間降水量が多く、梅雨期や台風期には短時間で大量の降雨があるため、山地災害のリスクが非常に高い地域となっています。

 

■ 治山工事による効果的な災害予防

 
治山工事は災害発生後の復旧工事とは異なり、災害を未然に防ぐ予防的な対策として極めて重要です。適切な治山施設の設置により、以下のような効果が期待できます。
 
まず、不安定土砂の固定により土石流の発生を抑制し、渓流勾配の緩和により流水の勢いを減少させます。また、山脚の固定により斜面崩壊を防止し、長期的には森林の回復により持続的な山地保全を実現します。これらの効果により、下流域の集落や農地、道路などの重要インフラを守ることができます。
 

治山工事の施工プロセスと技術的特徴

 
治山工事の施工には、一般的な土木工事とは異なる特殊な技術と工法が必要です。山間部の急峻で不安定な地形での作業となるため、安全性と効率性を両立した施工計画が重要になります。
 

■ 治山ダム施工の基本工程

 
谷止工や床固工などの治山ダム施工では、まず現地の地形・地質調査を詳細に行い、最適な設置位置と構造を決定します。その後、工事用道路の整備、基礎掘削、型枠設置、コンクリート打設という順序で進められます。
 
特に基礎部分では、堅固な岩盤まで掘削し、構造物と地盤の一体化を図ることが重要です。コンクリートの養生についても、山間部の気象条件を考慮した適切な管理が必要になります。
 

準備工程

測量・設計:詳細な現地調査と構造設計

仮設工事:工事用道路・作業ヤードの整備

安全対策:落石防護網・仮設防護柵の設置

施工工程

基礎工事:岩盤掘削・基礎コンクリート

本体工事:型枠組立・鉄筋配筋・コンクリート打設

仕上工事:表面保護・排水設備設置

完成後工程

植生工事:周辺斜面への植栽・播種

維持管理:定期点検・機能保持

効果確認:施設機能の継続的評価

参照:治山工事施工の様子 – 宮城県
 

■ 現地発生材を活用した環境配慮型工法

 
近年の治山工事では、環境への配慮と経済性を両立した工法が注目されています。現地発生土を有効利用するダブルウォールダムやセルダムなどが多く採用され、コンクリートダムと比較して短期施工が可能です。
 
これらの工法では、鋼矢板やエキスパンドメタル、間伐材などの多様な壁面材を使用することで、周辺環境との調和を図りながら効果的な治山施設を構築できます。特に災害復旧工事では、迅速な施工が求められるため、これらの工法の重要性が高まっています。
 

治山工事が地域にもたらす効果と将来展望

 
治山工事は単に災害を防ぐだけでなく、地域の持続可能な発展に大きく貢献しています。日向市や延岡市などの山間部における治山工事の効果は、安全性の向上、環境保全、地域経済の活性化など多方面にわたります。
 

工事種別 主な効果 対象地域 施工期間
谷止工 土砂流出抑制、渓床安定 荒廃渓流 3~6ヶ月
床固工 縦侵食防止、勾配緩和 急勾配渓流 2~4ヶ月
山腹工 斜面安定、植生回復 崩壊斜面 4~8ヶ月
地すべり防止工 地すべり抑制、安全確保 地すべり危険箇所 6~12ヶ月

参照:治山施設の整備 – 栃木県
 

■ 地域安全性の向上

 
治山工事による最も直接的な効果は、土砂災害リスクの軽減です。適切に設置された治山施設により、集中豪雨や台風時の土砂流出が抑制され、下流域の住宅地や農地、道路などの重要施設が保護されます。これにより住民の生命・財産が守られ、安心して生活できる環境が確保されます。
 
また、治山工事は予防的な対策であるため、災害発生後の復旧費用と比較して非常に経済効率が高い投資となります。長期的な視点で見れば、地域全体の防災力向上に大きく貢献しています。
 

■ 森林環境の保全と回復

 
治山工事の本来の目的である森林の造成・保全により、生物多様性の維持や水源涵養機能の向上が図られます。荒廃した山地に適切な治山施設を設置し、植生を回復させることで、健全な森林生態系が形成されます。
 
これらの森林は、CO2の吸収による地球温暖化対策、水質浄化、野生動物の生息環境提供など、多面的な環境機能を発揮します。特に宮崎県は豊富な森林資源を有する地域であり、治山工事による森林保全は地域の持続可能な発展に不可欠です。
 

環境効果
治山工事により回復した森林は、年間を通じて安定した水の供給を可能にし、洪水時の流量調節機能も発揮します。また、土壌の流出防止により河川の水質維持にも大きく貢献しています。

 

■ 技術革新と将来展望

 
治山工事の分野でも、ICT技術の活用や新材料の開発により、施工効率の向上と環境負荷の軽減が進んでいます。ドローンを活用した測量・点検、3次元設計による精密施工、長寿命化材料の使用など、最新技術の導入が積極的に行われています。
 
将来的には、AI技術による災害予測システムとの連携や、センサー技術を活用したリアルタイム監視システムの構築など、より高度な治山技術の発展が期待されています。これらの技術革新により、より効果的で持続可能な山地保全が実現されるでしょう。
 

技術分野 現在の取り組み 将来の展望
測量・設計 ドローン測量、3次元設計 AI支援設計、VR施工シミュレーション
施工技術 環境配慮型工法、現地材活用 ロボット施工、自動化技術
維持管理 定期点検、目視確認 IoTセンサー監視、予知保全
災害対応 緊急施工体制 リアルタイム監視、自動警報

参照:コンクリート谷止工 – 関東森林管理局
 

株式会社大建の治山工事への取り組み

 
株式会社大建では、長年にわたり宮崎県内の治山工事に携わり、地域の安全確保に貢献してまいりました。日向市・延岡市周辺の地形や地質特性を熟知した技術者が、現地の条件に最適な工法を選定し、確実な施工を行っています。
 
当社の治山工事では、安全性を最優先としながら、環境への配慮と施工品質の確保を両立しています。特に山間部での作業となる治山工事では、作業員の安全確保と周辺環境への影響最小化が重要であり、これらの要求に応える技術力と経験を有しています。
 
また、地域密着型の建設会社として、住民の皆様との十分なコミュニケーションを図り、工事の内容や効果について丁寧に説明することを心がけています。治山工事は地域全体の安全に関わる重要な事業であり、住民の皆様のご理解とご協力が不可欠だからです。
 
今後も最新の技術動向を注視しながら、より効果的で持続可能な治山工事の実現に向けて取り組んでまいります。ICT技術の活用や環境配慮型工法の導入により、地域の皆様により良いサービスを提供できるよう努力を続けてまいります。
 

採用情報

土木工事・道路工事・型枠工事は宮崎県日向市の株式会社大建|求人
株式会社大建
〒883-0011
宮崎県日向市曽根町2-161
TEL/FAX:0982-60-3095

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